平成23年9月定例会
「一般質問」

【質問項目】

  1. 1. 知事の今後4年間の政策等について
  2. 2. 政治教育について
  3. 3. 東日本大震災津波の復旧・復興対策について
  4. 4. 放射性物質の影響について
  5. 5. エネルギー政策と森林・林業再生について
  6. 6. 若者の雇用対策について

1. 知事の今後4年間の政策等について

① 過去4年間の県政運営について
1期目、過去4年間の県政運営に対する評価と、その課題をどのようにとらえているのか伺う。 また、その中で、一番に評価することとは何であるか、あわせて伺う。

答弁
平成19年4月の知事就任以来、県政課題の解決に向けた方向性を明らかにしつつ、県民の仕事と暮らしを守ることを基本として県政運営を行ってまいった。
特に県民所得、雇用環境、人口減少、地域医療の直面する危機に対しては、それぞれ目標を設定しながら、重点的に施策の推進を図り、その結果、国民所得と県民所得の格差が縮小するなど、一定の成果を得ることができたものと考えている。
中でも、人口減少については、県や市町村、地元企業等が一丸となって課題解決に取り組んだ結果、人口の社会減の増加傾向に一定の歯止めがかかるなど、大きな成果があったと考えている。
また、平成22年度の主要施策の評価では、おおむね達成以上と評価される指標が全体の半数を超え、厳しい社会経済情勢の中で、医療・子育て・福祉分野などでは一定の成果を上げたものと認識している。
一方で、産業・雇用分野や教育・文化分野などで進捗の遅れが見られる施策があることから、こうした課題については、その対応を今後策定する「第2期アクションプラン」において、具体的な推進方策として盛り込み、重点的に取り組みを進めていく所存である。


② マニフェストについて
知事は、今期4年間のマニフェストとして、さきに策定された「復興基本計画」を掲げておられるが、政治家にとってのマニフェストとは、どのようなものであるととらえていらっしゃるのかお教えいただきたい。
その中で、よく知事が発言されている被災者に寄り添うとは、どのような意味としてとらえていらっしゃるのか、知事の考える被災者に寄り添う政策を具体的にお示しいただきたい。

答弁
マニフェストは、英国の国会議員選挙における政党の公約であり、我が国においても、国政選挙における政党の政権公約として、また、地方選挙におけるローカルマニフェストとして浸透してきているものと認識している。
被災者に寄り添うことについては、行政が被災者一人一人の目線に立ち、復興のステージに応じて人間本位の復興を進めていくという姿勢が、被災者に寄り添うということであり、被災者支援から復興のまちづくり、なりわいの再生など、あらゆる分野の取り組みにおいて心がけるべきことと考えている。
それが端的にあらわれる取り組みとして、例えば、被災者の生活再建に向けて、多様化する被災者からの相談に一元的で柔軟に対応する被災者相談支援センターの運営、被災者のふるさとの復興への思いを踏まえた十分な議論と合意形成に基づくまちづくりの支援、被災事業者の再建に向けて、相談から具体的な支援までをワンストップで受けられる岩手県産業復興相談センターの設立などを行っているところである。


③ 岩手の未来像について
今後4年間の県政運営を通じて、実現を目指す具体的な岩手像をどのように描いているのか、また、20年後の岩手の未来像をどのように描いているのか、あわせてお示しいただきたい。

答弁
いわて県民計画長期ビジョンにおいては、平成30年度までの目指す将来像として、「希望郷いわて」の実現を掲げ、産業、雇用など七つの政策ごとに、産業創造県いわての実現など、その目指す基本的考え方や政策推進の基本方向を描いたところである。
長期ビジョン実現のための具体的取り組みを示す次期アクションプランでは、七つの政策を構成する42の政策項目ごとに、目指す姿を具体的に定めていくこととしている。
20年後の岩手の未来像については、次の長期計画の策定に取り組む時点において、次代を担う若者から高齢者まで、県内各界各層からの意見をもとに描かれていくものと考えているが、そのためにも、まず、いわて県民計画に基づく取り組みを着実に進め、その礎を築いていきたいと考えている。


2. 政治教育について

私は、昨年の県議会議員補欠選挙で初当選させていただくまで、政治とはほとんど無関係の人間であった。
政治に関心が無かったのではなく、政治を身近に感じられなかったのが大きな理由と考えている。
県議になり1年余り、まだまだ未熟ではあるが、日々の議員活動、議会活動を通じ、そして、何よりも3月11日の東日本大震災津波を機に、改めて私たちの生活をよりよくするためには、政治が大切であり、政治に参画することの重要性を痛感している。
さきの県議会議員選挙投票率60.6%、知事選挙投票率59.92%など、近年の選挙における低投票率は、県民の政治参加意識が低くなっていることがわかる。
しかし、この背景には、政治とは、本来、有権者が主人公であるべきはずが、政治家が主人公の政治となっているなど、政治に携わる者への不信感や努力不足であるとも言えるが、民主主義の意義や政治の本質を学ぶ機会が少ないことが原因であるとも考える。
特に、次代を担う若者が選挙を棄権することは非常に憂慮すべきことで、若年層の皆様方には、これからの岩手を担う、岩手は私たちみずからの手で築いていくのだという意識を強く持っていただきたいとも考える。
神奈川県では、昨年の衆院議員選挙において、県立高校で模擬選挙を実施している。
政治を習い始める中学や高校等の学校教育で模擬選挙等を導入し、政治参加や投票行為の重要性を教えることで、大人になり、将来、積極的に社会参加するための意識の育成につながると考える。
そこで知事に伺いたい。
知事は、今回の知事選挙、県議会議員選挙の低投票率の結果についてどのように考えるのか、所感をお伺いしたい。
また、中学や高校等への模擬選挙の導入等、政治教育のあり方についてどのように考えるのか、あわせて所感をお伺いする。


答弁
選挙の低投票率については、知事選挙にせよ、県議会議員選挙にせよ、投票率は高いことが望ましく、低投票率については、残念に思う。
学校における政治に関する教育について、この教育は平和で民主的な国家、社会の形成者として必要な公民的資質を養う上で重要であろうと思っている。
このため、政治に関する教育は、それぞれの生徒の発達段階に応じて行われており、義務教育段階では、選挙権については1票の大切さ、選挙制度の仕組みや選挙の意義について学習している。
また、高等学校段階では、討論やディベートなどを通じて政治参加と世論形成について学び、望ましい政治と主権者としてのあり方についての理解と、健全な批判力を身につける学習を行っている。
今後とも、学習指導要領の趣旨と内容に沿いながら、政治参加への意識が高まるよう、政治に関する教育を充実させていくことが大切であると思っている。


3. 東日本大震災津波の復旧・復興対策について

① 復旧・復興に向けボランティア等の果たす役割
今回の大震災津波では、現在も国内外からさまざまな民間のボランティア活動が展開されている。
復旧、復興には、つながりや絆を大切にした多様な連携の輪が必要となる。
私自身、震災後、同志とともにボランティア団体を立ち上げ、さまざまなボランティア活動をしている。
現場に一番近いのが、ボランティアの皆さんであると考える。
答えは現場にあるとの考えのもと、現場力を大切にした取り組みを今後もなされると知事も仰っているが、東日本大震災津波の復旧、復興に向け、ボランティア等の果たす役割について、県の考え方をお示し願う。

答弁
今回の大震災では被災地において、多くのボランティアやNPO、NGOが活動を行っており、こうした方々が、避難所や応急仮設住宅での被災者の生活を支援する姿に、人々の絆やつながりというものが日本社会に根づいていることを、改めて認識させられたところである。
本県においても、県民はもとより、全国や海外からさまざまな支援が寄せられるとともに、被災直後から現在に至るまで、物資支援や泥出しなどの他、被災者一人一人に寄り添うさまざまなボランティア活動が展開されている。
今後も、被災者の暮らしの再建やなりわいの再生などの復興に向けて取り組むに当たっては、行政はもとより、ボランティアやNPO、NGO、さらには各分野の関係団体、企業、大学等、それぞれが果たす役割は非常に大きいと考えており、その力が最大限に発揮されるよう、多様な復興に向けた活動の展開のための連携の仕組みづくりを促進するとともに、その活動を支援していく。


② ボランティアの状況について
全国、県内各地から、復旧、復興のために支援いただいたこれまでのボランティアの状況について評価する点、今後の課題等についても伺いたい。

答弁
災害ボランティアセンターを通じて把握したボランティアの数は、発災から10月11日までの7カ月間で延べ27万人余に達し、交通事情等が改善された4月以降、多い月では約4万8、000人、少ない月でも約3万4、000人に上ったところであり、うち65%が県外の方である。
また、この他かなりの数のNPO、NGO等の団体が、率先して独自に現地入りし支援活動を展開している。
これらの方々は、発災直後から行政等と連携を図りながら、物資の供給や障害物の撤去、避難所の運営等に取り組まれ、迅速できめ細やかな対応により、早期の復旧に向けて大きな貢献をしていただいたと考えている。
今後、復旧、復興が進むにつれて、その活動内容は、応急仮設住宅の集会所等での傾聴活動など被災者の生活支援が多くなっていくものと思われるが、一方で、住家に流れ込んだ障害物の撤去などが依然必要な地域もあることから、被災地の実情を踏まえながら、それぞれのニーズに応じた活動が展開できるよう、ボランティアの継続的な確保と的確なコーディネートに努めてまいりたい。


③ 企業のボランティアへの参画について
今回の東日本大震災津波により、だれもが、改めてボランティアの果たす役割の重要性と必要性を再認識されていると思うが、月日の経過とともに、ボランティアの人数は減少傾向にある。
先日、ボランティア活動を組み込んだ社員旅行を計画したいと、東京のある企業から依頼を受けた。
各旅行会社でも、ボランティアツアーとして、首都圏等からの個人の参加者を募り実施しているが、その個人参加者も減少傾向にあると聞く。
たくさんの方が岩手に足を運んでもらうことも、復旧、復興へとつながる。
来年は、いわてデスティネーションキャンペーンも実施される。
企業として、社員がボランティアに参画しやすい仕組みをつくり、その参画する企業を支援していくことで、将来の岩手県への観光客の増加、リピーター、また、新規移住定住者にもつながると考えるが、県の所感を伺う。

答弁
今般の大震災津波に際しては、被災地の災害ボランティアセンターと日本経済団体連合会の会員企業有志で構成する社会貢献活動団体とが連携し、ボランティア活動に参加しやすい仕組みをつくったことにより、多くの社員が被災地において活動を行ったところである。
また、その他の企業においても、ボランティア休暇制度の充実や交通費等資金面での援助などにより、社会貢献活動の一環として、社員のボランティア活動を促す動きが広がりを見せている。
こうした企業の参画によって継続的なボランティアの確保が可能となり、議員御指摘のように、将来の岩手県への観光客の増加等にもつながる可能性があると思われることから、引き続き、県社会福祉協議会と連携しながら、県内外の企業に働きかけを行うとともに、的確な情報提供や被災地とのコーディネート等の面で支援していく。


④ 新しい公共における企業の役割について
今回の大震災津波では、大小さまざまな企業が、新しい公共の重要な担い手としての積極的な活動を行った。
支え合いと活気のある地域になるには、地元企業が復興し、新しい企業が起こり、地元経済に貢献することが必要である。
しかし、被災した地元企業は、通常の方法で工場の再建や生産手段の獲得のための資金を調達することは難しく、地域政党いわてでも、岩手版無担保少額融資ファンド等の創設により、被災地経済復興とベンチャーの創出を図ることをマニフェストの一つに掲げており、新しい方法を用意することが重要だと考える。
新しい公共の取り組みを広げる社会的起業増加のためのエンジェル税制がある。
ベンチャー企業へ投資を行った個人投資家に対して、税制上の優遇措置を行う制度であるこのエンジェル税制を、地域再生の企業に対する投資に適用すべく必要な制度改革を講ずるべきと考える。
また、現在の公益信託いわてNPO基金が平成23年度で終了する見込みであり、新しい公共支援事業も平成24年度で終了、各種財団等の震災対応向け助成も中期的には打ち切られると思われ、その後のNPO等の活動支援の仕組みを、震災対応等の市民活動に寄附が集まりやすい今のうちから取り組みたいとして、県では、寄附募集支援事業を行うこととしているが、NPO自身が寄附集め等のノウハウを身につけるだけでなく、この震災を機に、企業みずからがボランティア活動に参加したり、NPOに寄附することで支援できる仕組みづくりを積極的に行うべきではないだろうか。
このように、新しい公共の担い手には、NPOだけでなく企業へも期待されていることから、企業が実際にボランティア活動を通じ、新しい公共に参画しやすい事例をつくることで、企業の新しい公共また協働への参画意識も高められると思うが、県は、新しい公共としての企業支援について、企業の参画、果たす役割に関してどのように認識し、今後どのように取り組んでいくおつもりか、県の所感を伺う。

答弁
企業が果たす主な役割としては、社会貢献活動への参画や従業員が社会貢献活動に参加しやすい環境づくり、社会貢献活動を行う県民、NPOへの支援、地域コミュニティ活動への参画や支援などが期待されるところであり、平成22年度企業・事業所行動調査によると、43.3%の企業・事業所が、何らかの社会貢献活動に取り組んでいるところである。
しかしながら、その役割を果たすためには、企業に期待される社会貢献活動の情報提供が不十分であること、ボランティア休暇制度、ボランティア情報の提供など、従業員が社会貢献活動に参加しやすい環境を整備している企業が少ないこと、また、企業とNPO、自治会、町内会とを結びつけるコーディネート機能が不十分であることなどの課題もあるものと認識している。
そのため、県としては、社会貢献活動の支援に関する指針や今年度新たに策定した新しい公共支援事業基本方針等に基づき、企業とNPOのパートナーシップに関するガイドラインの作成、配布等、企業への情報提供、NPOとの協働に関する各種フォーラム等の開催により、企業の従業員が参加しやすい環境の整備促進、NPO活動交流センターを通じたNPO支援コーディネートなどに取り組んでいるところである。
今後においても、これまでの取り組みに加え、社会貢献活動に関心のある企業を対象とした啓発セミナーの開催や、7月に設置した新しい公共支援事業運営委員会に、新たに商工団体や金融、会計に関する有識者に御参画いただき、寄附金等によるNPO等への助成の仕組みについて検討を行うとともに、企業等からの寄附促進のための制度である認定NPO法人制度が来年度から県に移管されることから、その円滑な施行への準備などに取り組んでまいりたいと考える。


4. 放射性物質の影響について

3月11日の東日本大震災津波発災後、今もなお、私たちの生活を脅かしているのが、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う放射性物質の影響である。


① 県民の安全・安心について
県の原発放射線影響対策の基本方針の中の国との関係について、放射性物質による汚染については、国の責任において解決すべきものであるが、県として、国の対応を待つことなく、必要な対策は可能な限り実施すると書いてある。
現在、国が定める暫定規制値を県独自で設定し直し、また、子供や妊産婦等、放射能被害を受けやすい者に対する規制値も独自に設定することで、県民の放射性物質からの影響への不安を少しでも解消すべきと考えるが、知事は、今後どのようにこの放射性物質の影響から、県民の安全・安心を守っていくおつもりか伺いたい。
また、岩手県における福島第一原発の事故に伴う県民に対するこれまでの放射性物質の影響はどのようなものがあるのか、県の所見を伺う。

答弁
原発事故による放射性物質が本県に与える影響は、空気、飲料水、土壌等の住環境、農林水産物や製造業、観光業など各種の産業活動まで多岐にわたっており、県内でも牛肉から暫定規制値を超える放射性物質が検出された事案があったほか、旅行客の減少などの風評被害も生じている。
これまで、原発放射線影響対策本部を設置し、環境放射線量等のきめ細かな測定と公表、学校等における放射線量調査、低減措置への助成や県内全市町村における米の放射性物質濃度の検査等、安全な県産食材を提供するための取り組みなどを積極的に実施している。
引き続き、放射線の影響を受けやすいとされる子供の健康と食の安全・安心を重視し、放射線量等測定結果が比較的高い値の地域における子供の健康にかかわる影響調査の実施に向けて検討を進めるとともに、放射線量等の測定機器の整備を進め監視体制の充実強化に努めるなど、積極的に取り組んでいく。


② 除染の基本的な考え方について
放射性物質の影響に対して、県はこれまでどのような取り組みを行ってきたのか、さらに、今後、県はどのような考え方に基づき、どのような取り組みを行おうとしているのか伺う。

答弁
県民の安全・安心を確保するために、放射線量低減の取り組みの基本となる考え方について、「放射線量低減に向けた取り組み方針」を策定し、県民が日常生活から受ける追加被曝線量の目標を年間1ミリシーベルト以下とするとともに、低減措置を実施する目安を、空間線量率が毎時1マイクロシーベルト以上としている。
低減措置については、学校等の施設及び不特定多数の人が利用する施設を優先することとし、市町村が行う放射線量低減に向けた計画的な取り組みが円滑に進むよう、財政的支援や技術的助言等を行うこととしている。
今後は、低減措置の方法等についてのわかりやすいマニュアル作成等を進めていくとともに、実施した低減措置の結果の速やかな情報提供に努めていく。


③ 放射性物質の子供たちの健康への影響について
先日、岩手日日新聞の報道で、一関市の子供の尿から、放射性セシウムが検出されたとあった。
13日の答弁では、知事は、健康に影響を及ぼすレベルにないと認識しているが、不安を払拭するため、子供の健康に関する影響調査の実施に向け検討していると発言されておられるが、具体的に、子供たちの健康被害に対する対策を、県はどのように考えているのか伺う。

答弁
一関市の子供の尿から放射性セシウムが検出されたことについては、一関市からの依頼を受けて、独立行政法人放射線医学総合研究所の計算ソフトにより試算したところである。
その結果、子供の場合、70歳までの累計被曝線量により健康リスクを評価する預託実効線量の推計値は、一番高い値でも0.01ミリシーベルト以下であり、食品安全委員会が7月26日に示した生涯累計の追加被曝線量100ミリシーベルトや国際放射線防護委員会が平常時の放射線の目安として示す、年間累計の追加被曝線量1ミリシーベルトに比較して、はるかに小さい値であった。
こうしたことから、これまでの放射線測定結果において比較的高い値を示している県南地域についても、健康に影響を及ぼすレベルにないと認識しているが、県民に広がる不安を払拭するため、専門家の意見を参考にしながら、子供の健康に係る影響調査の実施に向けて検討している。


④ 給食で扱われている食品の検査体制について
学校給食法には、有害なもの、また、その疑いがあるものは避けることとあるが、暫定規制値を超える食品を給食に使用していたことが事後に発覚する等の問題が多発している。
長野県松本市では、規制値にはウクライナ基準を採用し、学校給食で放射線測定を始めているなど、他県での取り組みが進んでおり、岩手県でも、給食で扱われている食品の検査体制を早急に整えるべきと考えるが、県の所感を伺いたい。

答弁
県では、「放射線量低減に向けた取り組み方針」や「県産食材の安全確保方針」を策定し、放射線量等の測定や除染等を含めた放射線量の低減措置のほか、安全な県産食材の供給に向けた取り組みを積極的に実施しているところであり、今後も、これらの取り組みにより、学校給食の安全性の確保に努めていきたい。
なお、一関市や奥州市において、食材を検査するための機器の導入を検討しているとも聞いており、地域の実情に応じて市町村が実施する取り組みについても、県として必要な支援に努めていく。


⑤ 野外焼却について
現在県から、各自治体、関係団体等に、例外規定により認められている野外焼却を自粛するよう要請が出されている。
放射性物質再飛散を心配する県民の不安の声が多く、内部被曝等人体への影響から県民を守るため、県条例などで例外として認められている野外焼却に関しても禁止するなどの措置を講ずるべきと考えるが、県の所感を伺う。

答弁
「生活環境保全条例」において原則として野外焼却を禁止しているが、法令に基づく焼却や農業などを営むためのやむを得ない焼却など、例外的な場合に認められている。
しかしながら、災害廃棄物や牧草などから放射性物質が検出されていることや、県民から野外焼却に伴う放射性物質の拡散による健康への影響について不安の声が多く寄せられていることを踏まえ、国の対応を待つことなく、県独自の判断により、市町村、関係機関に対し、野外焼却自粛の協力を要請しているところである。
野外焼却に関する放射性物質の規制基準については、本来、国が科学的知見に基づき定めるべきものである。
国に対しては、早期に示すよう要請しているが、いまだ示されていないところであり、引き続き国に対し、基準を早期に示すよう要請してまいりたいと考えている。


⑥ 森林の除染について
森林は多くの生物が共存すると同時に、地球環境において大気の組成や気候を調整する機能を果たし、人にとっては、木材、食料、水、燃料等の供給源として重要となっている。
私たち人間の生活と森林は、深く結びついている。
木の上などに現在はとどまっている放射性物質は、今後1年から2年かけて木から土壌に浸透、移行し、そして再び木へと吸収されて循環し続ける。
こうした森林の機能から、農林水産業にとっても大きな影響を与えることとなり、森林の除染は長期的な視野でもって対策を講じていかなければいけないと私は考えている。
特に、県土面積の8割近くが森林である岩手県は、森林が広大であるが、この森林の除染はどのように考えているのか伺う。

答弁
森林を含む県内全域の放射線量等の状況については、現在、国が航空機によるモニタリング調査を実施しているところであり、また、森林の除染方法についても、国において検討中であることから、これらの結果を待って、特に県民が日常生活においてかかわる頻度の高い箇所を優先に、適切な対応を検討していきたい。


⑦ 放射性物質の影響に対する県民への啓発の徹底について
現在、放射性物質に関する情報が十分とは言えず、どれが正確な情報なのかもわからないような状況下にあって、国や県で行う対応策が限られている中、まず、自分の身は自分で守ることも重要になっていると考える。
健康被害などの放射性物質に対する基本的な考え方、知識などを、県民に対してわかりやすく丁寧に、もっと積極的に普及啓発を行うべきと考えるが、県の考え方、今後の取り組み方針を伺いたい。

答弁
県では、県内の放射線量の状況や県の取り組み等について、ホームページ、いわてグラフ等の広報媒体やテレビ、新聞等の報道を通じて、県民への情報提供を行っている。
また、相談窓口の設置や放射線に関するセミナーの開催を通じて、放射能に関する正しい知識の普及の取り組みを行っている。
引き続き、リーフレットの配布や県政広報番組等、さまざまな機会、媒体を通じて県民に対して正確かつわかりやすい情報提供に努めることにより、放射能に関する知識の普及啓発を図っていく。


⑧ 学校における放射線の学習について
学校教育の中においても同様の理由から、子供たちに対して放射性物質、放射能、放射線とは何か、その影響や対処等についての緊急的学習措置をとるべきと考えるが、県ではどのように考えているのか伺う。

答弁
放射線に関しては、学習指導要領の改訂により、来年度から中学校の理科の教科書で取り上げられるほか、高等学校においては、これまでも物理の授業で放射線の種類、性質等について扱っているところである。
国においては、学校教育の場などにおける放射線等に対する教育への取り組みを支援するための副読本を作成したところであるが、県としては、これに加え、まずは学校がそれぞれの状況に応じて放射線の学習に取り組むことができるように、補助教材の作成などについて検討を進めているところである。


⑨ 県産食材についての取り組みについて
福島の放射能被害に対する農業者へのさまざまな経営支援、国や東京電力への賠償責任追及等、今後も引き続き行っていただきたいと考えるが、県産食材の安全・安心のため、県はこれまでどのような取り組みを行ってきたか伺う。

答弁
県では、我が国の総合食料基地として、消費者へ安全な県産農林水産物を提供する観点から、これまで、主な品目について、放射性物質濃度の検査を行い、安全を確認するとともに、検査結果の速やかな公表により消費者への安心の提供に取り組んできた。
また、新聞、パンフレットによる県産農林水産物の安全宣言等の情報発信、知事のトップセールスや各種イベントを通じた安全な本県農林水産物の売り込み、東京食肉市場関係者やいわて牛を取り扱う外食関係者等を招いての安全・安心のPRなど、あらゆる機会をとらえて安全性を広くアピールし、消費者の不安解消や風評被害の防止に努めてきた。


⑩ 農林水産物の今後の検査計画について
多くの農林水産物は、「農林水産物の放射性物質濃度の検査計画」に基づき、検査結果をホームページで公表しているが、この検査計画は10月までしか公表されていない。
今後の検査計画についての県の考え方について伺いたい。
また、検査計画にない品目についても検査結果が公表されているが、現在行っている検査品目以外についての今後の検査について、県の考え方を伺う。

答弁
県では、政府の原子力災害対策本部が定めた考え方に沿って、本県の主要な農林水産物を対象に、県産農林水産物の放射性物質濃度の検査計画を策定したところであり、検査実施時期や試料採取場所については、収穫時期等を考慮しながら設定している。
11月以降の検査計画についても、おおむね3カ月程度を期間とし、この期間内に収穫、漁獲される主要な農林水産物を対象に、検査計画を策定していく。
また、これまで、検査計画で予定していた品目以外のものについても、状況に応じて測定調査を実施し、結果を公表してきているが、今後も、計画している品目以外の農林水産物であっても、必要に応じて測定調査を実施する考えである。


⑪ 米の検査について
現在、県内各地でホットスポット等が出ている中、各市町村、1カ所程度の米を検査したことで、本当に安全・安心だと言えるのだろうか。
また、特に米は日本人の主食である。
毎日食べる米だからこそ、特にも規制値を厳しく設けるべきであると考えるが、県の所感を伺う。

答弁
県産米の放射性物質調査は国が示した枠組みに基づき、空間放射線量率の最大値が毎時0.1マイクロシーベルトを超える一関市など県南地域の4市町については旧市町村単位に61地点での実施。
その他の市町村については現市町村単位に29地点で実施。
さらに、JAグループにおいても、県南の4市町を除く地域で旧市町村単位に131地点で実施したところであり、県内の調査地点の合計は221地点となる。
両調査の結果、すべての地点で不検出であったことから、本県産米の安全性は確保できているものと考えている。
また、放射性物質濃度の規制値は、現在、国の食品安全委員会において、暫定規制値の見直しについて検討を行っていると承知しており、現段階において県で独自に規制値を設定することは考えていない。


⑫ 自主検査への支援について
県において、県産食材の全検査が難しいのであれば、集出荷団体や農家個人の責任において実施する検査への支援をすべきではないかと考えるが、所見を伺いたい。

答弁
県では、国の出荷制限の指示のあった牛肉については、消費者からの信頼の回復や早期出荷正常化を図る観点から、出荷・検査方針に基づく全戸検査を実施した農家が2頭目以降の牛について自主的に検査を実施する場合にも、その検査費用を支援している。
牛肉以外の県産農林水産物については、集出荷団体や農家個人のすべての希望に応えていくことは困難と考えており、県が運用している検査機器の活用を図りながら、できる限り支援できるよう努力していく。


5. エネルギー政策と森林・林業再生について

私たちが便利や快適さばかりを追い求めた結果、まきや炭は利用されなくなった。
地球の温暖化が進み、福島の原発事故も起きた。
原子力というエネルギーは人間がつくり出しているエネルギーだが、私たち人間が処理し切れないエネルギーである。
私たちは、いつまでこんな危ないエネルギーに依存した生活を続けるのか。


① 再生可能エネルギーの導入状況と今後の方向性について
東日本大震災津波や福島原発の事故に伴い、全国的に再生可能エネルギー利用に関する関心が高まっているが、本県でのこれまでの再生可能エネルギーの導入状況と今後の方向について伺う。

答弁
新エネルギービジョンに基づき、再生可能エネルギーの積極的な導入に取り組んできた結果、平成22年度末の電力導入量は、太陽光3万5、000キロワット、風力6万7、000キロワット、水力27万5、000キロワット、地熱10万4、000キロワットなど、合わせて48万7、000キロワットとなっており、県内の電力消費量に占める再生可能エネルギーの自給率は、平成22年度で18.1%と全国平均の9%(この全国平均は平成20年度の数値) に比べ、約2倍となっている。
東日本大震災津波による電力不足を背景に再生可能エネルギーへの期待が高まっていることから、今後とも、本県の特性を生かした一層の導入を促進し、エネルギー自給率の向上と災害に強いまちづくりを進めていきたいと考える。


② 再生可能エネルギーの導入促進の具体的な目標値について 
再生可能エネルギーの導入促進の具体的な目標値を掲げるべきと考えるが、県はどのように考えているのか。

答弁
現在、新エネルギービジョンの検証を行うとともに、風力、太陽光発電の適地調査や民間事業者、関係団体等から情報収集などを行っているところである。
これらの結果や再生可能エネルギーを取り巻く環境の変化を踏まえながら、今年度中に策定を予定している地球温暖化対策に関する実行計画の中に、具体的な目標を盛り込んでいく考え。


③ 公共施設等への再生可能エネルギー導入について
被災地での災害復興住宅だけでなく、今後、県内に新設される公共施設等に対しても、積極的に再生可能エネルギーを導入すべきと考えるが、県の所感を伺う。

答弁
東日本大震災津波に伴い、被災市町村を中心に大規模かつ長期間にわたる停電が発生したことから、非常時におけるエネルギー確保の重要性について、改めて認識したところである。
こうした状況を踏まえ、防災拠点や避難所に指定される公共施設、学校、病院等が、災害時においても一定のエネルギーを賄えるよう、復興計画の中に、再生可能エネルギーの導入について盛り込んだところである。
今後、国の予算措置の動向を踏まえ、関係部局や市町村等とも連携しながら、沿岸の被災市町村はもとより、県内全域を対象とし、新設の公共施設等のみならず、既存施設を含めて、導入に向けた検討を進めていきたいと考える。


④ 発電事業者の新規参入に対する支援について
今後の岩手県のエネルギー政策に大きな意味を持つと考える「固定価格買取制度」が制定されたことにより、新事業参入を目指す企業等に対する支援も県として積極的に行うことで、新たな産業、雇用の創出につながると考えるが、県としてどのようにとらえているのか伺いたい。

答弁
電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法、いわゆる「FIT法」による電気の固定価格買取制度は、現在のところ、発電事業者にとって、買い取りの価格、期間が定められていないことや、電力会社の送電網への接続に多額な投資を要するなど、解決すべき問題もあるが、本県沿岸の洋上風力などは今後中長期的には期待され、発電事業者の参入を促進することにより、地域の産業振興や雇用に結びついていくものと考えている。
このため、県としては、事業化が着実に進むよう、必要な支援措置を国などに要望するとともに、関係市町村、大学、研究機関等と連携を図りながら、新たな再生可能エネルギーの研究開発への支援など、発電事業者の新規参入の促進に取り組んでいく。


⑤ 木質バイオマスエネルギーの利用の取り組み状況と導入実績について 
今年は国連の定める「国際森林年」。
先日、盛岡市の外山森林公園において育樹祭や関連イベントが開催され私も参加したが、現在、森林の植える、育てる、収穫するという循環が崩れ、かけがえのない森林の機能の低下が危ぶまれている。 植える、育てる、収穫する、のうち、収穫して上手に使っていくことが足りていない。
森は海の恋人とも言われている。
県内では、震災後、被災各地で森林を生かしたさまざまな支援活動も行われており、森こそ岩手の復興の大きな柱として、もっと積極的に掲げるべきではと私は考える。
再生可能エネルギーのうち、特にも、本県の豊かな森林資源を活用した木質バイオマスエネルギーの導入を進めることで森林の循環を取り戻すべきだと考えるが、本県におけるこれまでの取り組み状況と、導入実績はどうなっているのか伺う。

答弁
本県では全国に先駆け、平成10年から木質バイオマスエネルギー利用を推進しており、これまで、いわて型ペレットストーブの開発と家庭、事業所への普及、県営屋内温水プールなど公共施設への木質燃料ボイラーの率先導入、養鶏施設での重油からペレットへの燃料転換など、産業分野における利用拡大等に取り組んできた。
この結果、平成22年までに県内に設置された木質バイオマス燃料機器の累計台数は、ペレットストーブ1、394台、ペレットボイラー52台、チップボイラー20台と、北海道に次ぐ導入実績となっている。


⑥ 森林・林業再生プランについて
再生可能エネルギーの導入を促進するためには、森林、林業再生に力を入れることが必須と考えるが、「森林、林業再生プラン」における木質バイオマスエネルギー利用についての県の基本的考え方、現在の課題を伺いたい。
あわせて、具体的にはどのように取り組んでいくのか伺う。

答弁
国の「森林・林業再生プラン」では、三つの基本理念の一つに、木質バイオマスエネルギーの利用拡大による低炭素社会への貢献を掲げており、県としても木材利用の拡大につながることから、間伐材のエネルギー利用に積極的に取り組んでいくこととしている。
これまで、本県の林業は森林資源の造成が中心であり、間伐材の利用に必要な施業の集約化や路網整備が不十分な現状にある。
このことから、小規模の森林所有者を集約化し、効率的な施業を実践する担い手の育成、低コストで崩れにくい森林作業道の開設による林内路網の整備などに重点的に取り組んでおり、今後も、本県の豊富な森林資源を活用した木質バイオマスエネルギーの利用を進めていく。


⑦ 木質バイオマスエネルギー利用促進への取り組みについて
東日本大震災津波からの復興に向け、木質系瓦礫の処理を初めとする木質バイオマスの発電及び熱利用を一層推進することが重要と考えるが、今後の取り組み方法をどのように考えているか伺う。

答弁
木質系瓦礫処理については、現在国が「木質系震災廃棄物等の活用可能性調査」を本県を含む被災4県で実施しており、年度内に発電や地域熱供給など、具体的な活用可能性を明らかにした施設構想が示されるものと承知している。
これらの施設では瓦礫処理が終了した後、間伐材の利用を想定していることから、県では今後、木質燃料の安定供給体制の確立、大規模な木質バイオマスエネルギー利用施設の誘致、公共施設や産業分野への木質燃料ボイラーの導入など、被災地の復興にもつながる木質バイオマスエネルギーの利用促進に取り組んでいきたいと考えている。


⑧ 災害公営住宅への県産材利用促進について
県産材を活用した岩手型住宅、まきストーブやチップ、ペレットストーブ等の普及、間伐材の利活用の促進等を実施することで、森林、林業の活性化につながる。
今後進められる被災地の生活再建支援においても、災害復興公営住宅等に木材を使用する場合、100%県産材使用を目指し、森林県岩手の復興策、また、森林、林業の活性化につなげるべきと考える。
県産材を優先的に使用するのではなく、なぜ100%目標にできないのか。

答弁
県営建設工事の発注における県産材の使用については、県として地域産業の活性化を図る上で、重要な課題として位置づけて取り組んでいる。
しかしながら、工事の発注に当たり、県産木材を初めとする特定の使用資材を指定並びに義務化することは、民間取引の公平な競争を妨げる行為として望ましくないとの見解が公正取引委員会から示されている。
このため、今回の災害復興公営住宅の建設においても、木造住宅の建設や内装材などにおける木材の積極的な活用を図るとともに、あわせて、請負者に対し県産木材の活用を要請することで、多くの県産木材を使用できるよう取り組んでいく。


⑨ 木製護岸について
9月9日付の岩手日報の報道にもあったが、県と宮古市が河川に導入した木製護岸が津波を耐え、被害がわずかだったと聞いている。
今回の津波被害を受け、県産材を利用した木製護岸を導入することで、津波被害軽減とともに、県産材利用促進につなげてはいかがか、県の所感を伺いたい。

答弁
木製護岸は平成15年度に、岩泉町小本地区の長内川河川災害復旧工事において、川岸の高さが低く、河口付近で川の流れが遅いこと、生態系に配慮することなどの理由から、木製護岸を採用したものである。
今回の津波に対して被害が軽微であったとの報道があるが、堤防を越流した津波の外力が木製護岸にどのように加わったかは不明であることから、津波対策としての評価は難しい状況。
このため、木製護岸については、地形条件や周辺環境などを考慮しながら、一定の条件を満たすところでの採用を進め、県産材の活用につなげていく。


6. 若者の雇用対策について

人口減少、少子高齢化の進む岩手が活性化するためには、特にも、若者が安定した仕事を得られることが重要だと私は考える。
人口が減少する中で、若者が岩手に残れる雇用環境、社会環境を整備しなければ、次代を担う人材が流出するばかりである。
結婚の高年齢化や結婚しない若者もふえ、その理由に、価値観や考え方が変化していることも挙げられるが、安定した職を得られないことで自立できず、結婚しない又はできない、結婚ができなければ子供もできないということになる。
結婚したとしても、経済的に安定していなければ、子供も多く望まなくなる。
過去5年間の県民意識調査によると、50項目近くある項目中、安定した雇用環境という項目については、満足度について過去5年間最下位、ニーズ度においても過去5年間第1位となっており、県民の関心度は安定した雇用環境に対して一番高く、雇用環境の整備には抜本的な改革が必要だと私は感じている。
地域を元気にするためには、より多くの若者が地元の企業に就職し、定着することが重要。
特にも、東日本大震災津波後の厳しい雇用情勢を考えると、来年春の新卒者の就職が気になる。


① 新規高校卒業者の就職ついて
県は、新規高校卒業者の就職状況をどのように捉え、どのような対応を講じておられるのか、現状認識と対応状況をお示し願う。

答弁
岩手労働局の8月末時点での調査結果によると、平成24年3月新規高校卒業予定者のうち、就職希望者3、818人に対して求人数は3、896人と、前年同月比8.9%の増、そのうち、県内求人については1、604人で、前年同月比20.1%の増加となっており、今のところ、前年度に比較して順調に推移しているところである。
県では、6月に岩手労働局、盛岡市とともに、昨年に引き続き、経済団体に対して雇用確保の要請をしたほか、各広域振興局においても、ハローワーク、市町村と連携して個別の企業を重ねて訪問し、求人の掘り起こしなどを行ってきている。
今後とも、学校やハローワークと連携して、積極的な求人開拓に努めてまいります。


② 沿岸地域の雇用対策について
被災地では、復興需要などもあって求人はふえているものの、職を求める人が多く、職を求める被災者の希望にかなわない状況。
沿岸は、本県ではもともと高齢化、過疎化が進行していた地域であり、今回の大震災で、職を求め、被災地を離れる若者が増えている。
今、被災者の方々は、ふるさとにとどまるか、県外に職を求めるのか悩んでいる。
これ以上、人口が被災地から流出しないようにするためにも、雇用対策が重要であると考える。
県では、被災後の雇用対策について、今後どのように取り組もうとしているのか伺う。

答弁
震災により多くの企業が被災したため、多数の方々が離職を余儀なくされたことから、県では、直ちに緊急雇用創出事業による雇用対策を講じるとともに、事業所の復興に向けた各種施策を実施するなど、雇用の場の確保に努めてきた。
被災地における産業復興には引き続き取り組んでいるが、本格的な雇用回復には、なお時間を要すると伺っている。
こうした状況を踏まえ、国では、雇用保険の受給期間の再延長を決定したところであり、県としても、雇用保険の受給期間の終了時期を見据えて、市町村と連携しながら、「緊急雇用創出事業」による雇用対策により、当面の雇用の場を確保していく。
なお、この雇用対策事業の実施に際しては、仮設住宅でのコミュニティづくりや行政連絡業務のほか、コールセンターを設置してお住まいの方々の要請に対応する事業など、さまざまな仕事を提供できるよう努めており、今後も、若年者を含む被災者の方々が地元の生活を続けていけるような施策を実施していく。


③ 若者の職場定着支援について
こうした厳しい就職状況の中、就職できた若者については、せっかく企業に就職しても早期に退職する若者が多いと言われている。
こうした早期に退職した若者の中には、なかなか次の就職先が見つからず、失業の長期化により、心の悩みを抱えている方もいるようである。
若者が職につかずに無為に過ごすことは、社会的にも大きな損失と考える。
このような若者を出さないようにするためには、就職した若者の企業への定着支援も重要である。
県では、就職した若者の企業への定着のために、どのような取り組みをしているのか。
若者の定着支援の取り組み状況についてお聞かせ願う。

答弁
若者の職場定着を目指し、ジョブカフェにおいて事業所の人事担当者や若手指導者などを対象に、生き生きと働ける職場づくりやメンタルヘルスをテーマにセミナーを実施しているほか、地域の新入社員を対象に、職場を超えてネットワークづくりができるフォローアップセミナーなども実施している。


④ 普通高校におけるインターンシップについて
若者の早期退職の原因には、職業観の未熟さ、社会人、職業人としての資質や能力の不足等が挙げられ、学校を卒業し、実際に社会へ出てしまう前の学校教育においての支援が重要だと私は考える。
県では現在、キャリア教育の一環で、インターンシップを体験する取り組みを県立学校で行っているが、過去5年間、専門学校だと8割以上の生徒が体験しているのに対し、普通高校になると10%台にとどまっている。
普通高校の教育課程で、インターンシップを実施することが困難である場合は、さまざまな職業人に実際に触れ、話を聞く機会だけでも積極的に設けることが重要であり、商工労働観光部と教育委員会とが連携し、横断的な取り組みが必要だと考えるが、県はどのように考えているか所感を伺う。

答弁
生徒一人一人が、インターンシップなどの体験的な学習を通して社会を支える一員としての自覚を持つとともに、将来、社会人、職業人として自立する能力を育成していくことが重要である。
このため昨年、「いわてキャリア教育指針」を策定し、今年度からはその指針に基づくキャリア教育全体計画をすべての県立高校において作成し、キャリア教育の推進に取り組んでいるところである。
平成22年度は、全日制普通高校35校中21校がインターシップを実施しているが、実施していない普通高校においても、職場訪問や卒業生講演会、社会人OBとのディスカッションなどを行っており、大学等卒業後の社会生活を意識させるよう取り組んでいるところである。
今後とも、商工労働観光部等関係部局とも連携を図りながら、普通高校を含むすべての県立高校において、インターンシップやボランティア活動などの体験的な活動を積極的に実施し、社会人から直接学ぶ機会を設けるよう取り組んでいく。


⑤ 夢に挑む人材の育成について
最近の若者は、将来の夢や目標を抱きづらくなっていると感じる。
大学等に進学することが目標達成となったり、また、一度挫折を経験すると、そこから立ち上がることが困難な傾向にある。
思考力、判断力、適応力、そして創造力を身につけ、その後の長い生涯にわたる人生設計において、幅広い選択肢を与えてあげることが重要だと私は考える。
特にも、3月11日の東日本大震災津波は、大人だけでなく子供たちにとっても、人生観、価値観が大きく変わる出来事だったのではないだろうか。
家族や友人等を失うなど被災した子供たちも含め、すべての子供たちが将来にわたり、夢や希望を持ち続けられる支援が教育の中でも重要だと考える。
心の教育はもちろんのこと、キャリア教育に加え、大阪府の教育改革の柱でもある、学校で学ぶ知識と、実際の世の中とのかけ橋になるよのなか科という授業を必須化することを、地域政党いわてでもマニフェストの一つに掲げており、基本的な学ぶことの意味を理解させ、学習意欲向上、夢に挑む人材を育成することが、将来の若者の就労支援や早期退職者の減少にもつながると考えるが、県の所感を伺う。

答弁
現在、各学校においては将来を見据えて、大学の教員や医師、弁護士などから、学ぶ意義や内容を聞いたり、地場産業を支える地元の企業を訪問し、実際の仕事を体験したりする中で、それぞれの仕事が地域で果たしている役割等について学んでいる。
これらの取り組みは生徒の意欲を引き出し、就労支援や早期退職者の減少につながり、ひいては、夢に挑む人材の育成につながるものと考えている。
このため、キャリア教育指針に沿って、キャリア教育の一層の充実に取り組んでいく。


※再質問

先ほど答弁の中には、今後の検査計画についても「必要に応じて検査計画を定める」。
また、野外焼却に関しても「国の対応を待つ」。
子供たちへの健康被害に対するものに対しても「検討段階にある」 とのこと。
私はこの放射性物質の影響に対する対応は、本当に迅速に、早急にやるべきものだと感じており、県の方々もご存知のとおり、県民の不安が一番多い分野であると認識している。
積極的な迅速な対応が必要である中で、私は知事の答弁からは、積極的な気持ちが正直感じられなかった。
知事に改めて質問させていただきたい。
知事は、今のこの岩手を、子供たちに胸を張ってバトンタッチできるとお考えか。
ウクライナでは現在、チェルノブイリ事故の20年ほど前に生まれた子供たちが、今は私たちと同じような成人になり、その人たちが今新たに子供を産んでいるが、その子供も放射性物質の被害で苦しんでいることをご存知か。
今、この世に存在する子供たちだけでなくて、これから生まれようとしている命、私と同世代やそれより若い世代がこれから結婚、出産をするとき、そのこれから生まれる子供たちに影響はないか、子供を授かっても大丈夫かどうか、そんな不安を抱えている若い世代もたくさんいる。
子供たち、そしてこれからの未来を担っていく子供たちに選択肢はなく、私たち大人がこの社会をつくっていかなければならない。
知事は、さまざまな場所で、答えは現場にあるとおっしゃっている。
これが現場の声だと私は思っており、これが県民の不安の声である。
私は、知事や県の方々を責めているわけではなく、何とかしてほしいという県民の声をここで訴えている。 先ほど知事の答弁では、いわて県民計画に基づきながら、また、次代を担う若者から高齢者の方々の意見を踏まえて20年後の岩手をつくっていくという答弁のみで、これから、私たちまた子供たちにとって、夢や希望も与えられない答弁だったと私は思っている。

低投票率に関しても、県知事選、県議会選挙においての低投票率に関しての答弁でも、残念だという一言のみであり、私たち若い世代がこれから選挙、投票するに当たって、未来を託している方々がそのような答弁では、私は残念でならない。

改めて知事にお伺いしたいが、以上のことを踏まえ、私たち若い世代、そして未来の岩手を担っていく子供たちに、夢や希望を与える答弁をいただきたく思う。
子供たちに胸を張ってバトンタッチできる社会を、そしてこれからの将来を担う子供たちへ、知事の思いそして決意を改めてお聞かせ願いたい。


答弁
放射能の問題に関し、生涯の追加被曝を100ミリシーベルト以下にする、年間の追加被曝量を1ミリシーベルト以下にするということについては、岩手県内においても、かなりのコンセンサスがあると考えている。
そうした観点から、今、岩手県で起きている環境の安全の問題、食の安全の問題についても、直ちに1ミリシーベルトの被曝を超えるような事態ではなく、まして100ミリシーベルトの被曝を超えるような事態でもない。
ただし、環境により局所的にそこにずっとい続ければ、1年に1ミリシーベルトを超えかねないというようなことはあり、また、食の安全についても、キロ当たり500ベクレルという国の暫定基準値を超えたものを1年間普通に食べ続ければ、1年間で1ミリシーベルトの外部被曝に達する量ということで定められていると理解しているが、そういうものが市場に流通する危険性というところに焦点を絞ると、迅速性はもちろん大事であるが、ただ、迅速というのはあくまで個別具体的な危険度、安全に対するリスクの有りようを見定めた上で、的確、効果的な対応をしていく必要があると考えており、そういうやり方をきちっとやっていけば、岩手県において環境の安全、食の安全はきちんと守ることができ、子供たちに対しても、この岩手をきちんと伝えていくことができると考えている。

低投票率の問題については、議員はそれが若い世代の無関心が原因という前提で御質問されていたかと思うが、その他にも、大震災直後、瓦礫、まちが壊れた状態の中で、選挙、投票が行われたところもあり、さまざまな震災の影響の中、投票の時間についても直前の時間変更を行った市町村もあるわけで、若い世代の無関心が、それだけが低投票率の原因とは考えておらず、まず本質的な答弁をさせていただいたところである。
若い世代については、むしろ今回の大震災に関して、非常に公共的なものに対する関心の高まり、また、関心を持つだけでなく、実際に動く人たちが多く出ている。
そして、沿岸の震災直後の被災地、私も全市町村、多くの避難所も訪問したが、そこで子供たちが非常に活躍している。
避難所の経営、受付の担当、物資、物を運ぶ、そうした中で若い世代の無関心ということについて突っ込んだ答弁を求められたようであるが、それには低投票率についてという質問の中では答弁できかねたというところである。

そして子供たちについては、県としていわての学び希望基金というものをどの県よりもいち早く立ち上げたということで、御理解いただきたいと思う。
今回の大震災の中で、まず子供、しかも親を犠牲にしてしまった子供のところに、まず県として集中し政策を立案、国にも納得してもらい、そして全国の心ある皆さんの善意を集める受け皿、とり皿をつくったということで、学びを通じて自己実現を図る、幸福の追求をすべての子供に保障する、そこに岩手県として徹底して力を入れているということで御理解いただきたい。


※ 再質問

知事は先ほどの答弁の中で、きめ細やかな検査体制との認識だということで、また、直ちに健康に影響するものではないということであったが、今現在、実際にこの岩手県から、子供を抱えてたくさんの方々が出ていって生活されていることをご存知か。
知事は、2期8年の思いは変わらないとのことで、任期が終われば責任が無いわけではなく、私はこの4年間の行動、責任は、その後も続いていくものと思っている。
この子供に対する責任というものは、今、迅速にしていかなければいけないと思っており、先ほどの子供たちに対する夢や希望を持てるこの岩手県を、ぜひつくっていっていただきたいと思っているが、改めて、最後にもう一度知事に質問させていただく。
先ほど暫定規制値に対しては、県では独自に定める予定はないとのことであったが、知事の御所見を伺いたい。


答弁
むしろ放射能の関係で、岩手に引っ越してこられる方々もいるとも聞いている。
暫定基準値については先ほども申し上げた「生涯の追加被曝量を100ミリシーベルト以下に抑える」「1年間の追加被曝量を1ミリシーベルト以下にする」という考え方に基づいて定められているが、人によっては同じ場所で一定の毎時シーベルト数、マイクロシーベルトの放射線量があったとしても、年間を通じてそのそばにいる人と、1年間に数回数時間そこに立ち寄る人とでは、おのずと基準のありようというものは違ってくるし、食べ物にあっても、それを毎日食べている人と年に数回しか食べない人では、キロ当たり何ベクレルという数字の意味合いは違ってくる。
その中で外部被曝、内部被曝、合わせて100ミリシーベルト、1ミリシーベルトという生涯基準、年間基準の中で、さらに現実的、効果的な暫定基準のありようを、国の食品安全委員会で探究しているというのが今実態ということである。
県は国の暫定基準は暫定基準として尊重しつつも、一関市や奥州市など個別具体的に局所的な線量に関して、そばに住んでいる人たちがどうかかわっているのかというようなところも踏まえた上で、「では除染しましょう」という協力体制をとっており、そういう意味では要は生涯追加被曝100ミリ、年間の追加被曝1ミリ以下に抑えていくというラインの中で、県としても仕事をしていくことは妥当と考えている。