平成25年9月定例会
「決算特別委員会 総括質疑」

【質問項目】

  1. 1. 復興の取り組みに対する知事の所感と抱負について
  2. 2. 若者が活躍する地域づくりについて
  3. 3. 放射性物質による健康影響対策等について
  4. 4. 外国人観光客の誘客について

1. 復興の取り組みに対する知事の所感と抱負について

「第3回いわて復興ウオッチャー調査」によると、被災者の生活の回復度について、「回復した」、「やや回復した」の合計が、前回から6.9ポイント減少し42.7%になるなど、被災者は生活環境の格差、特にも災害公営住宅建設にかかわる進度について、地域格差を感じる等の意見が寄せられている。
被災者の皆さんにおいては、住宅環境などの生活再建や雇用状況の回復等、様々な問題を抱えており、一般質問やこれまでの総括質疑においても取り上げられているが、改めて知事としての任期の折り返し地点を振り返り、これまでの復興の取り組みに対する所感と抱負、特にどの問題に今後取り組んでいくおつもりなのか、お伺いする。


答弁
戦後、かつてなかったほど大勢の方々が犠牲になった東日本大震災津波の復興ということで、県政史上かつてない大規模な事業を、被災者の方々をはじめ、県民全体の地元の底力、そして日本全国、さらに世界に広がる様々なつながりの力を合わせて推進してきたと思っている。
しかしながら、東日本大震災津波から2年7カ月余たった今なお、被災された多くの方々が、応急仮設住宅等での不自由な生活を余儀なくされており、まちづくりや災害公営住宅の早期完成などによる暮らしの再建、産業再生の取り組みなど、復興の取り組みを加速させることが必要であると考えている。
こうした中、発災直後からこれまでの緊急的な復旧の取り組みや復興の基盤づくりの成果を踏まえて、来年度を初年度とする「第2期復興期間」においては、被災者一人一人が、安心して生活を営むことができ、将来にわたって持続可能な地域社会の構築を目指す本格復興を目指した復興の取り組みを強力に推進すべく、準備をしているところである。
ここで改めて、震災直後に掲げた被災者の皆さんの人間らしい暮らし、学び、仕事を確保し、一人一人の幸福追求権を保障する、犠牲者の皆さんのふるさとへの思いを継承するという基本的な方針を胸に、そしてまた、後に続く未来の子供たちに誇りを持って示すことのできる復興をなし遂げるように、復興に取り組んでいく考えである。


2. 若者が活躍する地域づくりについて

① 女性の視点での地域づくりへの具体的な取り組みについて
復興後の岩手の地域づくりを担う若者の、実績活動の機会を確保するなどといった、元気な地域づくりに重点的に取り組んでいくものとお聞きしている。
若者が活躍する地域づくりには、テレビドラマ「あまちゃん」でも、働く女性が描かれるなど、特にも女性の視点というものが地域づくりにこれから必要だと考えるが、具体的にどのような取り組みをこれから行う考えであるか、お伺いする。

答弁
次世代を担う若者、女性が活躍することができる復興、そして地域づくりを推進していく必要があり、第2期復興実施計画の方向性としては、若者や女性の参画を視点の第一に挙げているところである。
若者が活躍する地域づくりに取り組んでいくということで、既に庁内で立ち上げた「若者施策研究会」では、メンバーの半数以上が女性となっている。
今後、若者の自主的な活動の促進やネットワークの形成に当たって、多くの女性に参画していただくなど、女性の視点での地域づくりを意識して進めていきたい。


② 「復興後のあるべき姿」とは
9月の記者会見で知事は「若者の活躍支援」についてもお話しされており、こういった若者が活躍する地域プロジェクトは同じ世代としては大変ありがたく、評価させていただきたい。
その中で「復興後のあるべき姿をビジョンとして描き…」とのお話があったが、知事は、「あるべき姿」というのを具体的にどのように描いているのか、教えていただきたい。

答弁
これからみんなで描いていくという部分もあるが、まず、東日本大震災直後の高校入試の合格発表で、沿岸被災地の高校に進学する多くの新高校生たちが「ふるさとで勉強し、ふるさとのために役に立ちたい」と語っていた。
その後、高校卒業後の地元への就職志向も、これは岩手全体で高まっており、また、実際の地元就職も増えている。
若い人達が、自ら岩手のために貢献したり、地域のために働きたいという意欲が高まっているという状況がある。
そして今アメリカでは、1980年から西暦2000年までに生まれた若い世代を「ミレニアル世代(千年紀の変わり目に生まれた世代)」として、それより上の世代ができないようなソーシャルメディアを使いこなしたりするような若い世代が、アメリカを今後牽引していくだろうと、かなりもてはやされている。
中国では「パーリンホウ(1980年以降に生まれた人達)」が、中国の改革、解放をさらに進めていくと期待が高まっており、国際的には若い世代がこれからの世界で活躍していくのが主流になっているのに対し、日本全体としてはどうも失われた世代という言葉が使われるなど、ぱっとしないイメージがあるのは大変よくないと思っている。
まず岩手から若い人達が活躍する。
今、様々な場面で活躍していただける部分もある。
また、若い人達が活躍できることは、その上の世代にとってもこの上ない安心につながるところもあるので、全ての世代にとって、そして地域全体にとっても、若者が活躍できることが重要だと思っている。


③ 知事の印象に残る女性や若者とは
8月末に、知事がニューヨークで復興支援の応援イベントに行かれ際に、私も一緒に参加させていただいた。
そこでの知事の英語でのスピーチは大変生き生きされていたと感じた。
それを受けて、知事と会話をされていた県内から参加した高校生と、その後話をした。
高校生は「ニューヨークに行ったことで、岩手と世界がつながれてよかった」と話していた。
ニューヨークでの知事が、夢と希望を持って語られていたと私は思っており、ぜひ岩手県でも、そういった気持ちでやっていただきたいと思っている。
先ほども「女性視点」ということでお話ししたが、たくさんの若者や女性が県内で実際に活躍している。
知事もいろいろな場面で会談する機会があると思われるが、具体的に印象に残っている女性や若者はいらっしゃるか。
そしてまた、担い手としての県立大学の学生で、実際に印象に残っている方がいればお教えいただきたい。

答弁
ぱっと思い出すのは、県立大学の「復興ガールズ」の皆さんである。
最近は男子も参加していると聞いているが、まさに若い女性が先頭に立って岩手の復興を推進していくということで、岩手県民の元気にもつながり、また、県外に対する広報、PR効果も大変高いものがあったと思う。
いざというときに物事の本質が出るというが、震災前からも様々な若い人達、女性の活躍はあったものの、震災そして復興の中で活躍している人達が、結構目に見えているということは、これをさらに生かしていくことが県政としても重要だと思う。


3. 放射性物質による健康影響対策等について

① 昨年度の実施状況、今年度以降の対応について
昨年に実施された「放射線健康影響調査」の結果報告によると、「放射線による健康影響は極めて少ないと考えられる」となっている。
放射性物質の人体への影響については知識が乏しい等から、小さいお子さんを持つ親を含め、県民の皆さんの不安の払拭にはいまだ至っていないものと思われることから、次年度以降についても事業継続を必要としている。
子供達の健康影響調査や放射線量の低減対策等について、昨年度の実施状況及び今年度以降の対応にどのように取り組んでいくのか、お伺いする。

答弁
県ではこれまで、主に県南部のお子さんを対象に、「放射線内部被曝健康影響調査」を実施し、また、昨年度は一関市、奥州市、平泉町の県南3市町において、県補助事業を活用した「内部被曝検査」も行われ、県の有識者会議では「放射線による健康影響は極めて小さいと考えられる」との評価が得られているところである。
しかしながら、県民の不安、特に若いお母様方の不安等は十分にはまだ払拭されているものとは考えておらず、県民に対し、正しくかつわかりやすくお伝えするというリスクコミュケーションの観点から、今年度も健康影響調査を継続することとしており、来年度以降については、調査対象者の方々の意向も踏まえつつ、検討していきたいと考えている。


② 子供をもつ保護者に対して
今定例会において、放射線被曝から子どもを守る会いわてから請願があったが、これは不採択となってしまった。
その結果に対し、県内には子供達の健康被害を心配する多くの保護者の方々がいらっしゃると思うが、知事はどのように受けとめられているか、お伺いする。

答弁
2年7カ月余が経ち、2011年の3月のことを改めて思い出すと、原子力発電所の事故、そして放射性物質の飛散ということで、一体何が起きているのか、どうなるのかというものすごい不安があったことを思い出す。
そして、その放射性物質に対する不安は、なかなか容易に解決するものではなく、まして身近にさまざまな数値が出てきていることについては、特にお子さんをお持ちの方々はものすごく心配し、不安になるのはわかる。
基本的に、科学的なアプローチで不安は解消されていくべきではあるが、ただ、科学にもいろんな説があったりするわけで、先ほど副知事がリスクコミュニケーション的観点という答弁もしたが、広目広目に科学的なアプローチも行って、不安の解消につなげることも大事だと思っている。


4. 外国人観光客の誘客について

① 外国人観光客数回復への取り組みについて
本県における外国人の宿泊者数は、東日本大震災津波の影響により大幅な減となっている。
本県においては、豊かな大自然八幡平、安比高原など、他にもたくさん、様々な観光資源を有しているが、平泉文化遺産の世界遺産登録の集客力を継続しつつ、全県への拡大といった外国人観光客の旅行需要の回復に向け、どのように取り組んでいくのかお伺いする。

答弁
震災後、本県を訪れる外国人観光客は、余震あるいは原発事故に対する懸念などにより、大きく落ち込んできたところである。
県としては、外国人観光客の約半数を占めている台湾からの需要回復を、まず最重点とし、連続チャーター便の運航再開や、現地での広告宣伝などに取り組んできた結果、本年度上期においては、回復基調にあるものと考えている。
また、さらなる誘客に向け、台湾の航空会社に対しチャーター便の運航拡大や、さらには定期便化を要請してきているところである。
去る9月には、中華航空及び大手旅行会社の代表が本県を訪れたところであり、今後も平泉の世界遺産をはじめ、本県の観光資源のPRなどを一層強化していきたいと考えている。
また、これらに加えて本年冬のタイ国際航空による仙台便の期間就航を踏まえ、東北7県の官民で組織する「東北観光推進機構」などとも連携し、タイを中心に東アジアからの誘客に努め、総体で震災以前の水準への早期回復、さらには成長軌道への回帰を目指し、今後とも取り組んでまいりたいと考えている。


②知事の観光客誘客への抱負
東南アジアを含めたタイにも、これから観光の振興を図っていくということであったが、平成22年と平成24年の実際の観光客数では、韓国、香港は3分の1減少している。
中国、台湾からも2分の1減少している中で、震災後、タイやマレーシアからは4割以上、また、2倍近く旅行客が増えている。
これは、7月からビザの発給要件が緩和されたということにあると思われる。
知事のこれまでの御経験も生かされ、様々な場所で岩手と世界をつなぐ観光客誘客にぜひつなげていただきたいと思うが、今後の抱負を伺いたい。

知事
東南アジアは岩手の物産展で、岩手から持っていった食べ物、加工品等がかなり評判よく、岩手ファンがどんどん増えていきそうな感じを手応えとして得ている。
東南アジアは中国系、いわゆる華僑系の人達、イスラム教徒の人達、そしてアジア固有の文化が背景の人達もおり、東南アジアというのは世界全体への入り口というようなところもあるので、そこからの誘客促進には大きく期待をしている。
もともと多い台湾や東アジアからのお客さんも増やしていきながら、それだけ外国から来てもらえる魅力があるということは、地域の実力の高さでもあると思うので、住んでいる岩手県民にとってもそれはいいことであり、外国人観光客の誘客について、積極的に取り組んでいきたいと思う。