平成30年2月定例会
「予算特別委員会 総括質疑」

【質問項目】

  1. 1. 医療的ケア児に対する支援について
  2. 2. 周産期医療体制の充実について
  3. 3. 保育における市町村支援について
  4. 4. 県民の健康づくりについて
  5. 5. 動物愛護について
  6. 6. 馬事文化振興について
  7. 7. キャリア教育とライフプランニング支援について

1. 医療的ケア児に対する支援について

① 医療的ケア児の受け入れ実態と連携体制強化について
平成28年5月の児童福祉法改正により、医療的ケアが必要な児童への支援が努力義務とされた。
国では医療的ケア児が普通学校に通うことができるよう、学校に看護師を配置するための補助金の交付対象を、特別支援学校だけでなく、小中学校にも拡大したことで、多くの自治体で配置が始まっている。
昨年度、一般の小中学校に通った医療的ケア児は6名いるが、全て保護者の付き添いによるものであった。
そこで、県は来年度、医療的ケア児の受け入れ体制や支援の輪を広げ、支援者育成にも取り組むとされていることに大変期待はしているが、医療的ケア児の保育所及び小中学校の受け入れ実態をどう把握し、医療、福祉、保健、そして教育との連携強化を具体的にどう図るのか伺う。

答弁
人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが必要な障がい児、いわゆる「医療的ケア児」の保育所と小中学校の受け入れ実態については、毎年、国が実施している全保育所及び全小中学校を対象とした調査により、本県では平成28年度において、保育所が2カ所、小学校が5校、中学校が1校で、それぞれ1人、計8人の受け入れとなっている。
こうした調査結果も踏まえ、県では、平成30年度において、既存の「岩手県重症心身障がい児・者支援推進会議」に、保健、保育、教育などの関係者を加えて連携体制を強化し、保育所や小中学校などの受け入れ実態や、在宅で生活している医療的ケア児も含めた県内全域の実態把握に努めながら、具体的な支援策や受け入れ体制の整備に向けた取り組みを進めていく。


② 保育所及び小中学校への看護師配置について
昨年度、全国の公立小中学校に配置された看護師は420名いると聞いているが、本県はゼロである。
大阪府では、保育所においては厚生労働省の事業を活用し看護師配置の事業を、小中学校においても10年も前から独自の事業を開始し、看護師配置に対する市町村への補助を行っている。
今年度からは、国から市町村への直接補助が開始されたことから、来年度から看護師研修や医療的ケア児受け入れに必要な施設整備補助を開始すると聞いている。
看護師不足である中、1校1看護師配置でなくとも、現在『居宅のみ』となっている訪問看護の規定を『居宅等』とすることができれば、学校等へも付き添いができるようになることから、本県独自で枠組みをつくってみてはどうかと考えている。
本県においても、保育所及び小中学校への看護師配置等を検討していただきたいと考えているが、県の御所見を伺う。

答弁
保育所への看護師配置に向けた取り組みについては、国のモデル事業を実施している他県市町村の取り組みなどの情報収集を行いながら、医療的ケア児の受け入れに向けた必要な支援を検討していく。
また、小中学校への配置については、国において、看護師の配置や体制整備を進める事業を実施していることから、同事業の導入も含め、市町村教育委員会と連携しながら、医療的ケア児への支援体制の構築に取り組んでいく。


2. 周産期医療体制の充実について

高齢出産、低出生体重児の割合増加に伴い、ハイリスク妊娠、出産に対する医療や高度な新生児医療の需要が一層高まる中、医師不足などいまだ地域偏在が存在しているのが現状である。
一方で、今年度から開始した産科診療所開設等支援事業費補助において、延べ10件の施設設備整備が実施されたことに加え、来年度はその支援が拡充されるほか、新生児ヘリコプター搬送体制整備補助が新たに盛り込まれるなど、創意工夫で対応されていることには心から敬意を表する。
そこで、妊産婦や新生児に対する必要な医療の、適切かつ迅速な提供のため、地域で支える体制づくりや市町村との連携など、来年度以降、どのように周産期医療体制の充実に取り組むのか伺う。

答弁
県ではこれまで、県内4つの周産期医療圏を設定し、医療機関の機能分担と連携のもと、分娩リスクに応じた適切な医療提供体制の確保を図ってきたほか、医療機関と市町村が妊産婦等の情報を共有する周産期医療情報ネットワークシステム、通称「いーはとーぶ」の運用や、超音波画像伝送システムの導入による連携診断体制の構築など、ICTを活用した医療連携を推進することで、周産期医療体制の充実に努めてきたところである。
今年度からは、県内全ての市町村が「いーはとーぶ」に参画し、医療機関との情報連携体制が強化されたほか、新たに潜在助産師の掘り起こしや、人材育成研修の実施による市町村の産前産後ケア事業への支援及び分娩取扱施設の維持、開設に係る補助制度の創設にも取り組んできた。
今後も、これらの取り組みを継続していくとともに、当初予算案に分娩取扱施設の再開等に対する支援の拡充、新生児のヘリコプター搬送体制の整備、総合周産期母子医療センターのスタッフの増員による救急搬送コーディネート体制の強化、救命救急士を対象とした新生児蘇生法及び母体救命研修の実施などに要する経費を盛り込み、分娩取扱施設のさらなる確保と母体、新生児の救急搬送体制の一層の強化を図ることとしている。
現在策定中の次期保健医療計画においても、産科医等の確保と救急搬送体制の強化を重点施策の一つとして掲げたいと考えているほか、新たに、市町村、産科医療機関と連携した産後うつや精神疾患を合併した妊産婦への対応、あるいは地域で妊産婦を支える取り組みを促進していくこととし、県では、これらの取り組みを総合的に推進しながら、周産期医療体制の充実に努めていきたいと考えている。

追加答弁
北東北3県との新生児広域搬送については、防災ヘリの搬送も含め3県で対応しているところである。
また、ドクターヘリでの搬送は、正確には「産婦」の搬送が可能であり、「妊婦」については、ヘリ内での出産に当然対応ができないことから、搬送はできないことになっている。


3. 保育における市町村支援について

県は「子ども・子育て支援事業計画」に基づき、多様な保育施設の整備や待機児童の解消、就労形態の多様化に対応した各種保育サービス等の充実、支援に取り組んでいるが、例えば岩泉町では、一時的な児童減少により、以前は町営、現在は県内では珍しい保護者等で構成される地域運営協議会方式の小規模な保育所が、来年度から2カ所閉鎖されると聞いている。
中山間地域の多い本県において、このような事態はどの自治体でも起こり得ると想定されるが、人口減少社会の中で、子供一人一人を大切にする視点で取り組むべきとも考えている。
岡山県では、岩手県も同様に需要の高い1歳児から2歳児の受け入れに積極的に取り組む保育所を支援する市町村に対する補助を来年度開始すると聞いている。
これは、1歳児から2歳児に比べ、保育士の配置人数が倍となるゼロ歳児の入所者増が保育士不足につながり、待機児童が発生しているとも分析し、1歳児から2歳児の受け入れを拡大する施設が増えれば、ゼロ歳児で申し込むケースが減り、長期的には待機児童解消にもつながるのではと期待されている。
また、東京都では、ゼロ歳児から2歳児を対象に、保育所などに入れない待機児童を持つ保護者ら向けに、ベビーシッター代を最大9割近く補助する制度を来年度創設すると聞いている。
本県も同様に、多様できめ細やかな対応が今後さらに求められると考えるが、保育を必要とする方の利用定員は来年度どうなるのか、また、保育所は市町村事業であるが、県として市町村をどのように支援していくのか伺う。

答弁
保育所や認定こども園、地域型保育事業を含めた保育を必要とする利用定員については、施設整備等による拡充により、平成29年4月の3万716人が、平成30年4月には、1,586人増加し3万2,302人となる見込みである。
現在、市町村では、子供の出生動向、利用希望者の意向や市町村内の保育施設の立地状況などを踏まえ、子ども・子育て会議の意見も聞きながら「子ども・子育て支援事業計画」の見直しを進めており、現時点では、保育利用ニーズを上回る定員が確保される計画となる見込みである。
県では、施設整備に対する財政支援を行い、受け皿のさらなる拡充を図るほか、保育士・保育所支援センターによる潜在保育士のマッチング支援や、保育士修学資金貸付事業の拡充などにより、保育士の確保に努めることとしており、保育の充実に向け引き続き市町村の取り組みを支援していく。


4. 県民の健康づくりについて

県民主体の健康度アップ支援事業費を新規に今回盛り込んでいるが、具体的にどのような成果を期待しているのか伺う。

答弁
本県は特に男性において、65歳未満の若い世代から既に全国より年齢調整死亡率が高い状況にある。
昨年度実施した県民生活習慣実態調査においても、生活習慣病に関連する要因である歩行数、肥満、野菜摂取量が前回調査よりも悪化しているところである。
このため県においては、65歳未満の働き盛り世代に対する生活習慣改善に向けた取り組みの強化が必要だと考えている。
県内企業においては、従業員の健康が企業経営の安定化につながるという、いわゆる健康経営の取り組みが徐々に進んできており、県や市町村、民間団体が地域において取り組んでいる地域づくりのノウハウにより、この取り組みを支援していくことが働き盛り世代の生活習慣病予防の促進につながるものと考えている。
したがって、先ほど申し上げた県民主体の健康度アップ支援事業においては、内臓脂肪量と運動、食事に着目し、メタボリックシンドローム対策に効果を上げている民間企業のノウハウを活用しながら、従業員の歩行数の増加と食生活改善への支援、企業の社員食堂や弁当事業者等への内蔵脂肪を減らすレシピ等の指導などの取り組みにより、持続的に県内企業の健康経営の取り組みを促進していきたいと考えている。
また、この事業においては、事業に参加する従業員の運動習慣や食生活改善を通じ、その家族への波及効果も期待できるものではないかと考えている。


5. 動物愛護について

昨日、名須川委員も取り上げられた動物愛護について、以前私も名須川委員とともに盛岡の保護施設を視察した経緯がある。
動物愛護思想や殺処分ゼロ啓発などを含め、全国的に整備の進む動物愛護センターの設置に向け、県としてどう取り組むのか改めてお伺いする。

答弁
県では、平成26年3月に「第2次岩手県動物愛護管理推進計画」を策定し、動物愛護思想の高揚、適正飼養の推進、譲渡の拡大などを通じて、人と動物が共生する社会の実現に向けて積極的に取り組んできたところである。
特に、東日本大震災津波以降、動物愛護に関する県民の関心がより高まってきており、動物愛護施策の推進が今後重要であると認識している。
このような状況を踏まえ、動物愛護センター設置についての検討を進めることとし、岩手県動物愛護推進協議会にセンターのあり方について御検討いただき、昨年11月に提言書が県に提出された。
この提言書においては、動物愛護センターを設置することが必要であること、担うべき機能として五つの機能、「動物愛護思想の普及」、「適正飼育及び飼主のいない猫対策の推進」、「生存の機会の拡大」、人獣共通感染症対策・調査研究及び災害発生時の動物救護を備えることが望ましいこと」、「設置に当たっては盛岡市との共同設置が望ましいこと」などの御提言をいただいたところである。
この提言書を踏まえ、昨年11月に県から動物愛護センターの設置検討について盛岡市に申し入れをし、昨年12月には、双方の担当部局からなる動物愛護センター整備検討協議会が設置され、現在、盛岡市と共同でセンターを設置する方向で検討を進めているところである。
また、動物愛護思想や殺処分ゼロの啓発に向けた取り組みについては、これまで終生の飼養への指導や飼い主への返還の取り組み、さらには、新たな飼い主への譲渡事業などに取り組んできたところであるが、平成30年度においては、新たに動物愛護を考えるシンポジウムやポスターコンクールを行うこととしており、関係経費を当初予算案に盛り込んだところである。
今後とも、引き続き、人と動物が共生する社会の実現を目指していく。


6. 馬事文化振興について

盛岡市松尾町にあった歴史ある馬検場が解体されると聞き、大変残念に思っている。
いにしえから継承されてきた岩手の馬事文化は、継承、発信すべき、世界に誇れる観光資源でもあると考える。
馬事文化振興に向け、今年度から開始した馬事文化プロモーション推進事業を通じて、どのような成果につながったと認識しているのか、また、県の今後の取り組みについてもあわせてお伺いする。

答弁
馬の飼養頭数が減少する中、イベントの開催等で必要な馬資源を確保し、効果的に活用するための仕組みを構築するとともに、本県が誇る馬事文化の魅力を活用し、地域の活性化を図るため、本年度から馬事文化プロモーション推進事業を実施しているところである。
この事業では、新たにコーディネーターを設置し、チャグチャグ馬コ同好会など、馬に関係する団体や市町村が参加する馬事文化地域連携連絡協議会を設立するなど、馬事関係者間のネットワークを構築するとともに、シンポジウムの開催や馬事イベントの実施、専用ホームページでの情報発信等を行ってきたところ。
また、台湾や香港で開催された観光プロモーションにおいて、本県馬事文化の魅力を広くPRしたところである。
このような取り組みにより、馬資源の広域的な利用調整や馬事関係情報を一元的に情報発信する体制が整備されるとともに、国内外において馬事文化に対する理解が進むなど、一定の成果があったものと考える。
平成30年度においても、関係市町村や馬事関係者との連携を図りながら、馬資源を活用したイベントなどの円滑な実施に取り組むとともに、本県の馬事文化の評価が高まり、旅行客の増加など、地域活性化につながるよう取り組みを進めてまいりたいと考えている。

再質問
釜石市に三陸駒舎という馬がいる施設があるが、昨年岩手県で初めて国の障害福祉サービスの指定を受けて、児童デイサービス、いわゆる「ホースセラピー」を開設された。
来年度保健福祉部では、「農福連携」ということで、農業と福祉という分野に取り組まれるが、馬事文化の中でも「農福連携」として、子供たちや障がい児支援への連携を、今後ぜひ岩手らしいというところで取り組んでいただきたい。


6. キャリア教育とライフプランニング支援について

平成29年度までは、就職を主とする普通高校では「いわて未来創造人サポート事業」に、専門高校や専門学科では、学校・地域の協働による「キャリア教育推進事業」に取り組んできたが、来年度からは学科に捉われず、一体的に取り組むことと見直されたことは大変よいと考えている。
これまでも、高校生向け保健教育の啓発資料を活用した、ライフプランニング支援の重要性について訴えてきたが、私はキャリア教育とライフプランニング支援は一体であると考える。
ただ、これらの事業を一体化してほしいということではなく、女性特有疾患の若年化、妊娠適齢期や不妊等について若いうちから正しい情報提供をすべきとの考えから、ぜひ社会人、男女問わず、講話等の中でも先輩方が結婚、妊娠、出産、子育てと、どう両立してきたかなどもお話ししてくださるよう工夫していただきたいが、県の今後の取り組みについてお伺いする。

答弁
現代社会も大きく変容し、ライフスタイルも多様化する中において、高校におけるキャリア教育の推進に当たっては、高校生自らが進路を選択する際に、就職のみならず、結婚、出産、育児等のライフイベントを踏まえた生活のあり方も視野に入れながら、総合的に考える機会を充実させていくことが重要であると考えている。
高校においては、地元産業界の皆様から御協力いただきながら、社会人へのインタビューや出前授業等を行うとともに、特にライフプランニングについては、国が作成した副教材などの活用や、産婦人科医や助産師等の専門家を講師とした妊娠、出産、疾患等に関する講演を実施することなどにより、生徒一人一人が主体的に就職、出産などの人生設計を立て、自らの進むべき道を選択し、決定する能力を育んできているところである。
今後においては、高校における保健体育や家庭科に加え、総合的な学習の時間などにおいて教科横断的な学習を進めるとともに、ライフプランニングを盛り込んだ社会人講話等の効果的な実施を促進するなど、ライフプランニング支援を含むキャリア教育の充実に努めていく。
なお、妊娠、出産、疾患等に関する講演をまだ実施していない学校も若干あるが、少なくとも生徒が在学中に一度は機会を設けるよう、県教育委員会から要請しているところであり、引き続き取り組みの促進に努めていく。

再質問
2013年の若者の意識に関する調査から、男女とも年齢が高くなるほど妊娠する確率が下がるなどについて、「よく知らない」または「知らない」と答えた人は、高校生に当たる15歳から19歳までにおいて、44%もいるという結果が出ており、特に妊娠と年齢の関係についてよく知らない人が多いことがわかるという、文部科学省のデータがある。
ぜひ引き続き、学校でのキャリア教育を考える際、自分自身のライフプランをキャリア教育と一緒に努めていっていただきたいと思う。


平成30年12月定例会
「次期総合計画特別委員会 総括質疑」 

【質問項目】

  1. 1. 10年後の日本と岩手の将来像について
  2. 2. AI時代における子育て・教育・人づくりについて
  3. 3. 人口減少対策について

1.10年後の日本と岩手の将来像について

この計画は、2019年度から2028年度までの10年間の計画で、長期的な岩手県の将来を展望し、県民みんなで目指す将来像と、その実現に向けて取り組む政策の基本方向を明らかにするもの。
社会経済情勢の変化など、時代の潮流を見据えた計画であるが、あらゆる主体が岩手県の将来像を共有するとしている。
知事ご自身は、10年後の日本をどう見据え、岩手をどう描いているのか。
どのような事に期待をし、どのような事に危機感を感じていているのか伺う。

答弁
新しい総合計画の案の中で、基本目標として「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」と掲げているところであり、また、そのもとにある 10 の政策分野において、それぞれ、

・ 「健康・余暇」において、「健康寿命が長く、いきいきと暮らすことができ、また、自分らしく自由な時間を楽しむことができる岩手」
「家族・子育て」において、「家族の形に応じたつながりや支え合いが育まれ、また、安心して子育てをすることができる岩手」
などと 10 年後の岩手を描いている。
これらは、岩手のみならず、日本においても 10 年後に実現されるべきものと考えており、地方の人々の仕事や暮らしを起点とする政策を展開できるよう、真に地方が主体となる地方分権が進むことを期待している。
また、こうした姿を実現する上で、第4次産業革命の流れを地域課題や身近な課題の解決に結び付けていくことが重要と考えており、IoT、AIなどの活用による、様々な分野でのイノベーションに大きな期待を抱いている。
一方、急速な人口減少と高齢化の進行は、社会保障制度や経済活動、社会生活などに様々な影響を及ぼすことから、その克服に向け、次期総合計画では、より地方の暮らしや仕事を起点とする政策を組み立て、東京一極集中の是正や個性豊かな地域社会の形成、少子高齢化社会への対応などに取り組むこととしている。


2.AI時代における子育て・教育・人づくりについて

IoTやAIなど技術革新がこれまでにない規模で進んでいる。第4次産業革命の進展は、私たちの身近にある様々な課題がイノベーションの力で解決されるなど、私たちの生活をより豊かなものにする必要不可欠なものである。
計画の中では、そのような技術革新を扱える人材確保や育成に対する考えや取り組みについては伺えるが、それだけで良いのだろうか。
労働力人口が減っていく社会で、確かにAIなどは歓迎されるが、私は、雇用の安定は果たして維持されるのだろうかという懸念も一方である。
AI導入による生産性の向上、コスト削減には繋がるかもしれないが、産業集積や雇用を破壊するのではとも考える。
2020年代はAIの時代と言われている。
「今の子ども達の大半は大人になる頃には全く新しい仕事を経験することになる」とも言われている。
様々な事がAIに取って変わられる中、このAI時代で生き残るための人材育成も必要なのではないだろうか。
自ら考え動く力。
直感力。
コミュニケーション能力。
AIではなく人間にしかできないもの。
AIに代替されない人間の価値。
本物を知る。
体験する。
実際の人と人とのつながりや自然との触れ合いを大切にする心。
そういったものを大切にした教育であって欲しい、子育て環境であって欲しいと願っている。
AIを扱える人材育成のみならず、AI時代を生き抜く人づくりの観点も必要だと私は思っている。
AI時代における子育て、教育、人づくりについてどのような考えのもと、計画に反映させているのか伺う。

答弁
AIをはじめIoTやロボット、ビッグデータといった技術革新が、これまでにない規模で速さを増して進む中、本県の子どもたちがこうした社会の変化に対応し、新たな社会の創り手として活躍できるように成長していくため、学校や家庭、地域が連携し、AIやデータを理解し使いこなす力を養うとともに、こうした社会環境だからこそ、AIで代替しにくい能力で価値の創造を行う人材を育成していくことが重要である。
次期総合計画においては、10 の政策分野のうち「教育」の取組として、「情報サービス産業の将来を担う人材の育成」や「科学技術への興味・関心を高める取組」などを盛り込むとともに、確かな学力、豊かな人間性と社会性、健やかな体をバランスよく育んでいくための取組など、時代を超えても変わらない教育の基礎にもしっかりと取り組んでいくこととしている。
こうした取組を通じて、教育分野で目指す姿として掲げる「学びや人づくりによって、将来に向かって可能性を伸ばし、自分の夢を実現できる岩手」を実現し、国内外や地域社会の様々な分野で活躍する人材を育んでいく。


3.人口減少対策について

人口減少対策を進めていく上では、子育て負担や仕事と育児の両立の困難さといった様々な「生きにくさ」を「生きやすさ」に転換していくことが重要とある。
① 周産期医療体制や医療的ケア児、発達障害児などへの支援について
10の政策分野のうちの家族・子育て分野における強みチャンスとして、『分娩リスクに応じた周産期医療体制が構築されているほか、県立療育センターにおける超重症児等の受入体制整備や地域における関係機関が連携したネットワークが強化されているなど、医療的ケア児や発達障害児などへの支援が充実しています。』 とある。
確かに成果は表れているが、私はまだ課題があると思っている。
県はどのように充実しているとの認識なのか。

答弁
まず、周産期医療体制については、限られた周産期医療資源の下、ハイリスク妊産婦や新生児に対するリスクに応じた適切な周産期医療提供体制の確保を図ってきたところであり、この中で、妊産婦等の救急時における受入先を確保する周産期救急搬送のコーディネート件数が、平成27年度から29年度の3年間で780件、胎児疾患等の診断に必要な知識を習得するための研修受講者が同じく3年間で324名と増加傾向にあるなど、年々体制整備が図られてきていると認識している。
しかしながら、産科医の不足や地域偏在、分娩取扱施設が減少傾向にあるなどの課題が依然としてあることから、今後も、医療従事者の確保やICTを活用した医療連携を推進するなどにより周産期医療提供体制の充実に努めていく。
次に、医療的ケア児、発達障がい児などへの支援については、その中核となる岩手県立療育センターを移転新築し、医療的ケアが必要な重症心身障がい児に対する在宅支援を含めた療育機能等を強化したほか、地域で相談支援にあたる職員の研修を実施するとともに、各地域の地域自立支援協議会で、関係機関が連携した地域療育ネットワークを構築し、課題の共有や支援の検討等に取り組んでいる。
しかしながら、医療的ケア児や発達障がい児の支援ニーズはますます多様化し、福祉や医療、保育、教育などの各現場において、適切に支援を受けることができる環境の整備が課題となっていることから、個々の支援ニーズに応じたサービス等を適切にコーディネートする人材を養成するなど、関係者間の連携体制の強化に取り組んでいく。

再質問
答弁のとおり、ハード面の部分は足りているが、安心して分娩できるソフト面の体制に課題がある。
特に、核家族化、少子化による孤立化が課題である。
分娩リスクに応じた周産期医療体制が構築されているが、長期ビジョンの「弱み・リスク」にはこうしたことがうたわれておらず、表記の仕方を工夫したほうがよいと思われるがいかがか。

答弁
周産期のハイリスク者に応じた体制を構築してきたが、核家族化、少子化による孤立の課題があると認識しており、今後、2月の計画策定に向けて、引き続き検討を進めていく。