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【青空レポート No.25 2024年9月発行号】 1.岩手県の産前産後サポートと産後ケア

2024.09.20

今回は、「産前産後サポートと産後ケア」の充実強化についてお話しようと思います。これは私の議員としての活動の「一丁目一番地」とも言えるテーマです。

「赤ちゃんのことが一番。自分のことなんて後回し」という気持ちが強くなってしまいがちな産後のお母さん。じつは、産後うつなどが原因で自死を選んでしまうお母さんは2020年以降増加の傾向にあります。

そんな変化が大きい産褥期のお母さんに対して、心身ともに健康でいられるようにサポートするのが「産後ケア」。「お母さん、ただ休んでいいんですよ!」と言ってくれる、母子が安心して過ごすことができる場所のことを指します。

 

新たな取り組みがスタート

国は2030年までを少子化対策のラストチャンスとして、こども未来戦略(加速化プラン)をすすめています。産後ケアは「妊娠期からの切れ目ない支援の拡充」の施策のひとつとして位置付けられ、岩手県もそれにもとづき産後ケアに対し取り組んでいます。

2022年度からは、各市町村が実施する産後ケア(心身のケアや育児サポート等)の利用料を岩手県が負担する形で実質無償化(おむつや食事代等は別)をスタート。

2024年度からは産前・産後サポート事業等利用促進事業として
・未就学児の一時預かり支援
・交通費(アクセス)支援
が新たに始まりました!

一時預かり支援

上のお子さんの預け先がなく、産後ケア等の利用を諦めてしまっているお母さんもいらっしゃいます。産前産後サポート事業や産後ケア事業を利用する方の、上のお子さんの一時預かり利用料への助成です。

交通費(アクセス)支援

産前産後サポートや産後ケアの実施場所への移動に必要な交通費の助成です。

産後ケアの現状

他県には利用するお母さんのニーズに合わせ、さまざまな種類の施設があります。医療法人や社会福祉法人などが設置主体となっている場合もありますが、個人(助産師など)が最も多い割合になっています。

施設の形もさまざまで、主に

 ①利用者を宿泊させて産後ケアを行う「宿泊型」
 ②病院や保健センター等に来所させて産後ケアを行う「デイサービス型」
 ③利用所の居宅を訪問して保健指導やケアを行う「アウトリーチ型」

の3つがあります。

実際のケアは、授乳に関するケア、育児についての相談を軸に、個別のケアプランの作成や、栄養指導、父親への支援などが行われています。初めての育児で直面する心配事や不安ごとに寄り添ってくれたら心強いですよね。

 

岩手県の現状


岩手県は面積が広く、医療機関の数も市町村によってばらつきがあります。産後ケアに対応している施設はまだ数が少ないので、居住場所によっての格差が大きくなってしまいます。市町村によっては単独での実施が難しい場合も多く、私も以前から市町村間格差の解消に向けて様々な提言をしてきました。

そして2022年の県議会6月定例会では、環境福祉常任委員会で「広域利用できるよう推進したい」とご答弁いただきました。

盛岡広域圏(8市町)での産後ケアのデイサービス型の実施状況を見てみると、以下のようになっています。

◯盛岡市
◯滝沢市
◯八幡平市
◯岩手町
◯紫波町
◯矢巾町
※雫石町、葛巻町は未実施

ここ数年、盛岡市近郊の市町村では産後ケアサービスの実施がかなり進みましたが、産後のお母さんが選べる選択肢はまだまだ地域格差がある現状です。盛岡市では現在デイサービス型の産後ケアは5カ所の病院(黒川産婦人科医院、村井産婦人科小児歯科医院、産科婦人科吉田医院、盛岡赤十字病院、みうら産婦人科医院)で実施されており、県内ではかなり充実した環境です。

盛岡市内の病院で出産した産婦さんが「盛岡市にある〇〇病院の産後ケアを受けたい」と希望した場合、盛岡市民だと無償化の対象になり、雫石町、葛巻町民だと対象になりません。広域利用を推進していくことで、自分の住む市町村以外の産後ケア施設も利用が可能になり、選択肢を広げることができます。引き続き改善にむけて働きかけていきたいと思います。


そして、2023年12月には、県内のお母さん達とともに

・まんまるママいわて代表理事佐藤美代子さん(花巻市)
・訪問専門助産所にこにこ助産婦八重樫重子さん(北上市)

が、県議会12月定例会に提出した「岩手県における産後ケア事業の更なる充実・強化を求める請願」が採択されました!

2024年の産後ケア支援の拡充はこの請願があってこそ。お母さん達の切実な生の声を、県議会に改めて伝えることができて本当に嬉しかったです。

昨年2023年12月に岩手県議会議長に提出したときの様子。

 

私の実体験

▶️ 以前のブログ「まんまるぽっと」
花巻市の「まんまるぽっと」。私も本当に助けられました。

岩手県内の分娩施設が年々減少し、周産期医療資源が限られている現状です。子どもを社会全体で育んでいくという環境、仕組みを整えていきたいですね。

 

妊産婦に関わる実績とこれからの取り組み

妊産婦のアクセス支援

◎令和2年事業開始、令和5年にはハイリスク妊婦に限定されていた支援対象が全ての妊産婦に広がりました
妊婦健診、分娩、診療、産後健診に通院する妊産婦の交通費や事前宿泊費を助成しています。

リトルベビーハンドブック

◎令和5年 運用開始しました
小さく産まれたお子さんのための育児支援として、既存の母子手帳と一緒に使います。体重の目盛は0kgからで成長に合わせた記録ができます。


▶️ 青空レポート No.24でも詳しくご紹介しています

不妊治療のアクセス支援

◎令和5年 助成開始しました
不妊治療にかかる交通費や事前宿泊費を助成しています。

新生児スクリーニング検査の無償化

◎取り組んでいます
現在も数種類は無料で検査ができますが、有料の検査も含めての無償化を実現させたいです。

妊産婦歯科検診の格差是正

◎取り組んでいます
産前産後は口腔内の環境も大きく変わるため検診の補助がありますが受診率が低い現状があります。子どもと一緒に検診を受ける等、受診しやすくなる環境づくりを進めていきます。

※掲載内容は2024年9月時点のものです。

 

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私たちが暮らすこの岩手の一人ひとりに寄り添った政策を実現し、
誰もが住みよい社会の実現に向けて走り続けていきます。