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青空レポート No.26/2
岩手県庁舎建替え、何が課題?

2025.03.01

青空レポート No.26[Web版]2025年3月号

1 はじめに・不登校への支援
2 岩手県庁舎建替え、何が課題?
3 文化芸術をもっと大事に・おわりに

 
 

岩手県庁舎と盛岡市庁舎。盛岡市中心部で大きな役割を果たしている2つの建物、ほぼ同時期に建替えの計画が進んでいます。全体のスケジュールや、計画のあらましなどをふまえ、これからのことを一緒に考えていきませんか?

岩手県庁舎・盛岡市庁舎の現在

岩手県庁舎の現状

現在の庁舎は、昭和 40 年(1965 年)に総工費 19 億 4,400 万円、工事期間2年5ヶ月、延べ労務人員約 25 万人を費やして建築され、建築当時、東北で1番、全国でも2番目の高さの庁舎として建築されました。 また、当時は一般的ではなかった県民スペースの導入などを行った、先駆的な庁舎でもありました。

建設から60年が経過し、東日本大震災などの大きな地震にも複数回見舞われたこともあり、老朽化や耐震性の課題が指摘されているところです。平成27年度の劣化診断や令和5年度の耐震診断結果によると、現在の県庁舎は現行の耐震基準を満たしておらず、設備の経年劣化も深刻であることから、耐震化や長寿命化のための総合的な改修が必要とされました。

また、内丸地区は現時点でも建物が密集しているエリアでもあります。同地区での整備を進める場合は、改修や建替によって違いはありますが、県庁舎の必要面積が不足することも考えられます。また、岩手県も参画している内丸地区再整備基本計画((仮称)内丸プラン)中間取りまとめ(盛岡市) では、内丸プランの目標(案)として、一団地の官公庁施設の在り方を見直し、機能強化を図ることについて言及されているところです。

参考資料:岩手県庁舎の在り方に関する報告書 (素案)(令和7年岩手県総務部)
 

盛岡市庁舎の現状

昭和37年に竣工した盛岡市役所本庁舎本館をはじめ、6つの建物に分かれている盛岡市庁舎。
令和6年12月23日、老朽化が進む盛岡市役所の庁舎の建て替えについて、盛岡市は新たな庁舎の建設地を「内丸エリア」とし、市内中心部に5か所ある庁舎の機能を段階的に新たな庁舎に集約する案などをまとめた基本構想をとりまとめました。

内丸ビジョンから内丸プラン(仮)へ

内丸地区の官民関係者が一丸となり、協調的な地区再生の方向性を検討するため、令和4年3月に、内丸地区のあるべき姿を明示した「内丸地区将来ビジョン(内丸ビジョン)」が策定され、同年8月には第1回内丸地区再整備検討懇話会が開かれました(令和4年から2年にわたって開催予定)。その後、内丸ビジョンをさらに具体化するものとして検討を進めている「(仮称)内丸プラン」の1年目の成果として中間とりまとめが作成されています。

内丸地区将来ビジョン(内丸ビジョン)

●内丸のあるべき姿
内丸地区に立地する官公庁や周辺の企業,住民などの関係者のほか,広く市民や盛岡に通勤する周辺市町の住民等と盛岡市や内丸地区の現状と課題を共有しながら、概ね20年後を見据えた内丸地区のあるべき将来像とその実現に向けた取組の方向性を取りまとめる目的で2022年3月策定された。
「県都の核として社会経済を牽引するまち 城下の風格と都心空間が調和するまち 英知が集い未来を創造するまち」

出典・参考:令和4年3月 「内丸地区将来ビジョン(素案)」盛岡市・内丸地区将来ビジョン懇話会

内丸地区再整備基本計画((仮称)内丸プラン)

●再整備の理念と目標
内丸地区将来ビジョン(内丸ビジョン)を具体化するものとして策定。
[目標案]
○業務集積地の形成とインフラ・土地利用の空間・機能を一体連携、
 非常時の広域・中枢拠点としての機能の形成
○一団地の官公庁施設の機能強化と多様な機能が融合した
 包括的かつ創造性を育める空間形成
○「盛岡らしさ」が感じられる既存の地域資源を活かした
 風格のある都市空間デザインの形成
○多くの人々が訪れ、回遊し、滞在・交流する場の充実

出典・参考:令和5年3月「(仮称)内丸プラン中間とりまとめ 〔抜粋〕」盛岡市

建替えまでのスケジュール

出典: 令和7年「岩手県庁舎の在り方に関する報告書(素案)」岩手県総務部/令和4年2月「報告書」新庁舎構想検討会議

みなさんはどんなことを考えていますか?

盛岡市庁舎と岩手県庁舎、ほぼ同時期に進む2つの施設の建て替え。みなさんは今どんなことを考えているでしょうか?私は、盛岡市の中心市街地の重要な2つの施設、非常に重要な問題ではないかと思っています。私たちが本当に必要とする建物とはどういったものなのか?本当に必要なサイズ感や機能はどういうものなのか?まだまだ対話を重ねていく必要がありそうです。

また、建物ができたあと、だれが、どんなふうにその場所に関わっていくのかというのも非常に大事な視点だと思っています。運営主体だけが運営に関わっていくのではなく近隣の住人や、場所に興味を持った人が建物を中心にしてぐるりと応援していく輪をつくるようなイメージを持ち、本当の意味での「公共」の場をいかに創るのか考え、長く本当にみなさんが愛着を持てるような施設になるよう、長期的な目線を大切にしていきたいですね。

盛岡の中心部は、岩手全体の顔ともいえる場所。例えばですが…ここにインクルーシブな遊具のある、子どもの遊び場があったら、それは「岩手県は子どもたちの未来をしっかり考えている」というメッセージになるかもしれません。他にも、コンサートの舞台にもなるホールがあったら、「文化芸術に力をいれています」、個店の紹介ブースがあったら「スモールショップを大切にしています」というように、そこがどんな場所になるか、は岩手県としてのメッセージの発信と捉えてもいいのではないかと思うのです。

これから、岩手県や盛岡市からは続々と新しい情報が出てくると思います。ぜひ関心を持ってみていきましょう。そして、パブリックコメントなど、意見を伝えられる場があるときはみなさんの声を届けていただきたいと思います。

※掲載内容は2025年2月時点のものです。

 
 

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